第七回 山忠本家酒造株式会社 (愛知県愛西市)
「酒造りは天職」
専務取締役 (11代目 次期社長) 山田 昌弘 氏
江戸中期(1789~1801)創業
愛知県愛西市に位置している。兵庫県加東市「特A地域」に認定されている地区で栽培される酒米 東条山田錦 を使用し、量より質に重きを置かれている蔵元さん。赤壁の蔵がある門構えがとても立派です。
Interviewee:専務取締役 (11代目 次期社長) 山田 昌弘氏(以下 山田)
Interviewer:美宴 吉田 綾子(以下 美宴)
美宴: 山田さんは、兵庫県の東条山田錦に積極的に携われているそうですね。
山田: はい、兵庫の代表的な酒米「山田錦」を大切に守っていくため、
そしてブランドとして推進していくために、積極的に東条山田錦に関わっています。
美宴: 素晴らしいですね。
山田さんは、酒蔵として一般の方々に何を伝えていきたいですか?
山田: 色々なお酒があるということを伝えていきたいです。
合わせる料理も色々で、楽しいものだということを知って頂きたいです。
美宴: 確かに。お酒とお料理のペアリングを提案はするけれども、幅広く楽しんで頂きたいですね。
山田さんにとって日本酒造りはどのようなものですか?
山田: 天職ですよ!大好きなことなんです。
完全に公私混同していますね!(笑)
とにかく、酒造りが好きなんです。
美宴: 幸せな公私混同ですね!(笑)
山田さんは今後どのようになっていきたいですか?
山田: 世界で大きくなりたいです。
そして、農家さんだったり、販売店さんだったり、
義侠に関わる全ての人たちに幸せになってもらいたい。
水・米、全てのものへの義理を忘れず、大切にしていきたいです。
美宴: まさに「義侠」という名そのものですね!
山田: 造りに関しては、たくさん造ることに興味はないので、
量より質を目指しています。
美宴: 大量生産を目指す蔵元さんがある中、その逆をいく。義侠さんはホームページも持たれてなく、
デジタルよりアナログ派。時代の真逆を行かれているのがまた素敵ですね。
酒造りを継続していこうと思われたきっかけは?
山田: 小学校卒業の頃にはすでに幻の酒を造りたいと卒業文集に書いていたらしいです。
しかし大学はまったく別の学部に行き、居酒屋で働いたりしていました。
様々な人たちを見て生活をしていた中、父を見たとき、父がとても充実した人生を送り、
他者と違う輝きがあることを直視しました。尊敬の念と憧れの気持ちで、父に蔵に入ることを志願。
しかし、大手企業の内定が取れたら入れてやるということが条件で、
それに従い内定取得後、3年間丁稚奉公ののち、入社を認めてもらいました。
美宴: そのような過去があったのですね。お父様を尊敬される気持ちに感動しました。
お酒造りが天職だと仰っていましたが、どのような部分が楽しいですか?
山田: 何も同じことが起こらないところです。
やることが毎回違っていて飽きないですよ。
美宴: 逆に大変だと感じることはありますか?
山田: んー大変だと感じることは特にないですが、家族に申し訳ないと思います...。
造りで忙しい時なんかは特に思いますね。
美宴: 朝早くから、そして夜中の温度管理までみるとなると、ご家族と両立されるのは難しいでしょうね。
山田: 今では、蔵の仲間が協力してくれて、私に「もう帰っていいですよ」と言ってくれるんです。
少しでもみんなで手分けできるように努めてくれているのが、とてもありがたく助かりますね。
美宴: 山田さんの人徳ですね。
最後に義侠さんのお酒の特徴をまとめていただくと?
山田: 米の旨味、奥行、幅がある酒です。
最後の一合まで美味しく飲める酒。
繰り返し口に運びたくなる酒が義侠の酒です。
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