第一回 澤田酒造株式会社(愛知県常滑市)

杜 氏  三浦 努 氏


Interviewee:杜氏 三浦 努 氏(以下 三浦)

Interviewer:美宴 吉田 綾子(以下 美宴)


美宴: はい、ではよろしくお願いします。三浦杜氏さんへ、4つの質問を

させてください。

まず酒造りに携わったきっかけはなんですか。

三浦: 専門学校の時に、BIO関係で微生物をやっていて、

そこで県の食品工業技術センターという所の先生が来ていて、そこで酒造りが面白いかなあと。物を作るのに興味を持って。

美宴: そうなんですね。では、まず学校に行かれたのはどうしてですか。学ぼうと思ったきっかけというか。

美宴: 実験みたいな感覚で?

三浦: そうですね。

美宴: 二つ目の質問ですが、酒蔵で大変なことってなんですか?毎日の業務で。

三浦: う〜ん、大変なことは、朝早くからの作業、

そういうのがやっぱり大変ですかねえ。あとは微生物管理なので、そういうのをしっかりみて温度調整とかでもしていかないといけないので大変かなあと。

美宴: 生き物相手というところですね。22年間続けられきたとお聞きしましたが、もう大変!やめたい!など思われたこ

とはありますか。

三浦: 今のところそこまでは(笑)

美宴: ないですか、すごいですね(笑)さすがです!

では、その逆で楽しいこと。酒造りに携わっていて一番好きな部分はなんですか。

三浦: まあ、辛いっていうのもあるけれども、やっぱり出品で賞を取れるとかそういうことがあると、やっぱり今期の作り

が良かったなあと、全国の新酒鑑評会とか。

美宴: 毎日の業務の1日と考えて何が好きですか。

三浦: 1日として?

美宴: はい、毎日休みなくの日々の中で。賞を取るというのは最終的な毎日の積み重ねの結果であって。毎日、今、1日を生

きていくのに楽しみはありますか?ちいさなことでもいいですけど。

三浦: お酒が絞れて、まあ美味しいのができたとかそういうことが一番ですね。

美宴: では、例えば、毎日分析されているっておっしゃってましたけど、あれは楽しい時間ですか?

三浦: それは楽しくないですね(笑)

美宴: なんか毎日変化があって、あっこれはうまく成長してるとか、私はわからないですけど、あっこれは酸がうまくできて

きているなあとか、酵母がいいなあとか、麹がよくなってきたとか

三浦: どっちかというと醪よりも麹とかがちょっといい香りが出てきてまあいいんじゃないかなあとか思う時があるんでそ

ういうのがまあ。


美宴: やっぱり麹の出来が!

三浦: 一番!

美宴: 麹の出来がいいとそれが毎日のモチベーションアップになりますか?

三浦: いいんじゃないかなと思うんですけど、

案外酒になった時は違うかもしれないんですけどねえ。

毎日のことなんでそれがいいと思っても、どれがというのがなかなか。

美宴: そうですね。わかりました。

最後の質問なんですけど、この白老さんならでは、三浦杜氏ならではの大切にしていることはなんですか。

三浦: う〜ん、やっぱりしっかり醪を見てきちんと管理をするっていうのが毎日何回か見るっているのが。

美宴: 醪管理、品質管理。この澤田酒造さんがもうすぐ170年ということで、代々受け継がれてきた中で、今杜氏として、

はくろうの味を受け継いでいるわけですよね、品質を。代々受け継いできたものプラス、ブランドとして大切にしているものってなんですか?造りとして大切にしているのは品質管理だと思いますが、モットー というか心の部分で守っていかなきゃと思っているもの。

三浦: でも昔の味は変わっていっても進化していかないとというか、変わっていかないと。今売れないと結局はというのが

ありますので、どうしたらもっと良くなるのかとか、もっと売れる酒を作れるかとかそいうことも。

美宴: 売れるお酒とはどのようなものだと思いますか。

三浦: 味がまあ昔からの味もありつつ、もっとキレとかが出るような酒ができたらなあと。昔の人からは少し味が違うかな

あと思われても。

美宴: 他の酒蔵さんに比べて、白老はこれが自慢なんだ、

これだけは自信持てるというものはなんですか。

三浦: きちんと手造りでやって、

しっかりとした味のものを造っているというのが。

美宴: なるほど、それがやはり他の蔵と比べて違うと。

三浦: 違うと思います。

美宴: さすがですね。ありがとうございました。

三浦: ありがとうございました。


代表取締役 澤田 薫 氏のインタビュー記事はこちら

bien - 美宴

「和」を世界へ 多種多様な価値観を受け入れ、 伝えることの大切さを感じ、 日本酒を始めとする日本文化の魅力が少しでも多くの方々へ届くよう願いを込めて、 人の和、日本の和を広めていきます。