第五回 天領酒造株式会社(岐阜県下呂市)
代表取締役 上野田 隆平 氏
「この美しい地に足を運んでもらいたい 」
飛騨を語る飛騨の酒。
山紫水明の地、岐阜県飛騨地方で330年以上続く蔵元。
伝統を守る以上に、その時代にあった日本酒を醸すことが、天領酒造の使命でもあり夢でもある。上品な香りと酸味をひかえたまろやかな味は、多くの料理と調和する日本酒です。
ホームページはこちら
Interviewee:代表取締役 上野田 隆平(以下 上野田)
Interviewer:美宴 吉田 綾子(以下 美宴)
上野田: 上野田家はもともと近江商人だったんです。
この地の美しさに魅了され、この地に根付き約330年。
美宴: 330年!歴史の重みがありますね。
蔵元さんとして消費者の方々に何を伝えていきたいですか?
上野田: お酒の楽しさ、美味しさを伝えていきたいですね。
そのためには、質の良いお酒を造り、お料理の味をこわさないようにすることが大前提ですね。
美宴: そうですよね。
お料理の味の邪魔をするような質の良くないものが出てくると
その場の空気まで楽しくなくなってしまいますよね。
今後天領さんはどのようになっていきたいですか?
上野田: 鑑評会など積極的に視野に入れて、どのような個性を出していくか。
テロワールという言葉があるように、この地域ならではの特色をうまく表現していきたいですね。
最近は、この地域も人口減少になってきていますので、日本人・外国人問わず、この地に来て、
体験をしてもらったり、理解をしてもらいたい。それで買ってもらえたら嬉しいですよね。
美宴: まさに国土交通省 中部運輸局さんが打ち出されている昇龍道の「着地型観光」といった感じでしょうか。
天領さんが大切にされていることは何ですか?
上野田: ベストを尽くすことですかね。
品質管理はやはり大切にしています。
当たり前のことですが、当たり前のことを当たり前にする(笑)
美宴: 当たり前のことを当たり前にする。単純ですが、それを継続していくことって大変なことですね!
上野田: 以前、評判の良い商品があって増産を頼まれたことがあったんですが断りました。
増産することによって、品質が落ちてしまうと困りますからね。
最近ではね、洋風なアプローチで、昔からの日本酒のネガティブな酒質を、
ポジティブに捉える業界も出て来ました。新しいアプローチに驚くこともありますよ!
世の中変わってきてますねー。
美宴: どこまでを昔のまま残し、何を新しく取り入れるのか。
時代の変化に対応していくことも、
これから日本酒に求められることなのかもしれませんね。
ありがとうございました。
杜氏 片桐 一成 氏のインタビュー記事はこちら
0コメント