第五回 天領酒造株式会社(岐阜県下呂市)

杜氏 片桐 一成 氏


Interviewee:杜氏 片桐 一成(以下 片桐)

Interviewer:美宴 吉田 綾子(以下 美宴)

片桐: 愛知県の一宮市出身なんです。

21歳の時に、自然が美しい下呂に魅了されてきて、

もう23年経ちました。

先代の杜氏に教わり、9年前に自分が杜氏を引き継ぎました。

美宴: 21歳でよく決断して来られましたね。酒造りに携わったきっかけは何ですか?

片桐: 学生の頃、バイオテクノロジーを学んでいたこともあり、生物には興味があったんです。

酒造りの生物は目に見えないですが、同じ生き物相手ですからね。水、豊かな自然に囲まれていて面白いなーって。

伝統的産業でもあるし、物造り、形に残るようなものが楽しいですよ。

美宴: 酒造りに魅了されて23年。大変だと感じたことはありますか?

片桐: うーん、あまりないですが、

ブランドの味というものがありますし、

その味のゾーンにどう入れていくかということですかね。



美宴: そのために日々気をつけられていることは何ですか?

片桐: 蒸米の状態を安定させることかな。

ゴムのような弾力がいいんですよ。

美宴: 蒸し立ての熱々の蒸米を手のひらでつぶして確認しますもんね。

私なんかは火傷しそうでしたけど(笑)

楽しい部分は何ですか?

片桐: 酒造りの工程は同じなんですが、微生物相手のため目に見えないですよね。

ちょっとしたことで、最終的な出来上がりって変わってきます。

そこを、今までの経験値や勘を働かせて、

いい酒が出来上がると達成感につながって楽しいですよ。

美宴: なるほど。人間側がどれだけ同じ工程を繰り返していても、相手が生き物ですから、

自然環境に合わせていく柔軟性が求められるわけですね。

天領さんのお酒の特徴を簡単にまとめて頂くと?

片桐: 「ひだほまれ」という地元米を使っています。

このお米を使うことによって、味にふくらみが出て、香りも豊かで、キレの良いお酒になっています。

飛騨の食によく合いますよー!

美宴: 飛騨の食と日本酒、そして下呂には温泉が!

癒しのひとときとなりますね。

ありがとうございました。


代表取締役 上野田 隆平氏のインタビュー記事はこちら

bien - 美宴

「和」を世界へ 多種多様な価値観を受け入れ、 伝えることの大切さを感じ、 日本酒を始めとする日本文化の魅力が少しでも多くの方々へ届くよう願いを込めて、 人の和、日本の和を広めていきます。